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レポート「心身健康科学会・心身健康アドバイザー」

毎年、2月と9月に学術集会前日のサイエンスカフェでの交流、日本心身健康科学会学術集会、その次の日に行われる心身健康アドバイザー講習会が定例となっています。 今回、学術集会およびアドバイザー講習会に参加してきましたので、その報告をしたいと思います。

報告 第4期卒業 中山瞳

第20回 日本心身健康科学会学術集会(2015年2月14日)

 昨年の2月は忘れられないほどの大雪で、学術集会の開催を午後からと変更して行われていました。今年も東北からは雪の中の出発でしたので、昨年の事を思い出しました。 開催の挨拶にもそんなエピソードが語られました。

第20回のメインテーマは「幸せを考える」

2つの特別講演があり、特別講演1は当大学の大東俊一先生から「日本人の幸福感について」。
特別講演2は教育クリエイターの奈良雅弘先生から「幸福力~非成長社会を生き抜く思考技術の探求」について、ご講演頂きました。

大東先生の講演では、
「内閣府の国民生活選好度調査をはじめ様々な資料から主観的幸福感と客観的幸福感には相関しないところもある。幸福を科学的に探求することは難しいが古代ギリシャからの思想、日本における古事記・日本書紀・風土記の中で描かれる理想郷にその幸福感の現像をみることができます。 幸福の実現は、欲求の充足という側面もありますが、それだけにつきるのでしょうか。」
そんな内容のお話でした。

奈良先生からは、
「幸せについて大変重要な概念ではあるが、これほど未整備な概念も珍しい。」

先生からは言葉の定義や感情としての「幸福感」の発生メカニズムなどについてなど「幸福力」という言葉を中心に据えながら体系的に考察されました。 欲しいものを手に入れる力はいつの時代でも必要であるが、それだけで人は幸せになれない事は大東先生のお話にも共通していました。

パネルディスカッションにおけるお話の中で、
「幸福感は科学的に分析することが大変難しく、言語化できないものも多い。案外、足元にある目に見えない物。そんな事が大事だったりする。」
とのお話が印象的でした。

大東先生の講演

幸福の実現は、欲求の充足という側面もありますが、それだけにつきるのでしょうか

第15回心身健康アドバイザー講習会(2015年2月15日)

第15回のテーマは「こころとからだの癒し・リラックス法」でした。
午前の部:講義

午後の部:ワークショップ

入れ替わりますが、アドバイザーの更新は3年でその更新条件に2回の学会参加が含まれるのでアドバイザーは参加率が高いと思います。 アドバイザーの方が身近で、実践を意識した内容と感じます。そのせいか、アドバイザーの方が質問も多いです。

午前の部:講義

1時限目:当大学の鍵谷方子先生・高原皓全先生から「心・筋機能の観察について」
ストレス時の循環器系と骨格筋活動の変化 ~心・筋機能の観察をとおして~としてストレス時に身体に起こる反応を学術的に説明されました。会場では実際に心電図や筋電図を装着し、心電図の波形の変化や筋電図の波形の動きを見せていただきました。 ストレスによる身体反応は、脳を介して主に自律神経系や内分泌系が働くことで起こります。ストレスへの脳の過剰な反応は、身体の働きを大きく低下さてしまいます。緊張しすぎないための脳のコントロールが大切とのお話でした。

2時限目:東邦大学医療センター大森病院心療内科の都田淳先生から「バイオフィードバック療法」
バイオフィードバック療法により身体感覚や感情を適切に認知できるようになり症状改善につながることが多く実際に使っている機器を紹介していただき、どのように患者さんにアプローチして、患者さんがどんな経過やどんな体験をして、改善していくのかを紹介していただきました。 ケースを紹介してもらったこともあり、療法事態の内容がわかり少し身近に感じることができました。個人的には「測る」がメンタルに応用されていることに興味を持ちました。

3時限目:当大学の中山和久先生から「日本文化の視点のからの癒しについて」
「癒し」という言葉をひもとき、日本人はどのようにして「癒し」を実現してきたのだろうか。神社での癒しや寺院での癒しを紹介いただきその中にある癒しの仕掛けのお話でした。 普段何気なく触れている神社や寺院を改めて考える機会となりました。

午後の部:ワークショップ

4時限目:当大学の矢吹弘子先生から自律訓練法の理論と実際
リラクゼーションとセルフコントロールにおける自律訓練法について話されました。その中でもポイントとなる「受診的注意集中」一生懸命注意を集中するのではなく、何となく注意を向けるというお話が興味深く聞かせていただき、最後に三グループに分かれて第2公式まで体験しました

中山和久先生から「日本文化の視点のからの癒しについて」

日本人はどのようにして「癒し」を実現してきたのだろうか

矢吹弘子先生から自律訓練法

5時限目:意見交換会
講習会の最後には意見交換会があり、学会の「幸せを考える」とアドバイザーの「癒やし・リラックス」といった大きなテーマの中で、このような多角的な 視点で考えられる事は、まさに人間総合科学だからこその視点であると意見が述べられました。

幸せと思うのは自分の客観的なものもありながら、とらえかたの主体的なことが作用すると思いました。沢山のストレスがあってもその中で心が整い、小さな 幸福を感じられたらよいのかと思うと、今回の「癒し・リラックス」はそんなひとつの手立てや技術なのかなと思います。

他職種でありいろいろな背景を持った人たちがこうして集まって議論できる場はとても貴重でこれからも大切にして繋げていきたいとの意見が述べられました。 大学の卒業後ずいぶん月日が流れ、日々の仕事に追われると大学で学んでいたときに感じた大切にしたい様々な事を忘れていました。このように立ち止まって、振り返り考える機会はとても大切だと感じました。

第15回心身健康アドバイザー認定制度について

学会には心身健康アドバイザー認定制度があります。その目的や活動についてご興味がある方は、HPなどを参照してください。
心身健康アドバイザー(外部リンク)

華蓮会からの質問:中山さんが心身健康科学会と心身健康アドバイザー講習会に所属された理由を聞かせ頂けませんか?
クリニックに勤めて検査をしても疾患は見つからない。でも、本人は苦しい…。
そんなことから大学に進み、今も検査をしながら医者ではありませんが結果と同時に話を聞いています。

専門職との繋がりもありましたが、自分達職場のスタッフの心身の問題で退職になるケースも多くて衛生管理委員会の対称でない施設の集まりだったので、メンタルに特化したメンタルヘルスグループが立ち上がり、健康管理委員会と名称が変わり6年目が過ぎようとしています。その事務局長をしています。

2015.05.05掲載

関連リンク
第20回 日本心身健康科学会 学術集会・総会開催報告(外部リンク)
日本心身健康科学会(外部リンク)

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